内容:HYAKUNEN コミュニティー

阪上正章さん
清和中央ホールディングス株式会社 代表取締役社長
経営は本当に難しい。世の中の流行りすたりや、情報を妄信するようでは、激変する時代の中で、生き残り、成長を続けることはできない。経営の本質というものを追い求め、自社なりの選択をし続けなければならない。私自身、長い経営者生活の中でこの本質を模索しつつ、ただこの瞬間も悩み、経営している次第である。
社内の議論で人材育成が必要という話があり、外部機関を利用した研修を行うこととなり、数社から話を聞くこととなった。

当初、研修というものは、決まったパターンがあって、きれいなマニュアルや形づくりはしても、本当の意味で効果が薄い、やっても意味のないものというイメージをもっていた。何事もそうだと思うが、とくに経営とは、小手先の理論や手法、道具で変わるようなものではない。経営者として私個人はそう痛感してきたからだ。
数社から話をきく中で、HYAKUNENの前山さんはちょっと違っていた。「会社がよくなる方法ってあるんですか?あるなら是非教えてもらいたい」と尋ねたところ、「そんなものはありません」との返事。決して、効果がある、とは言わなかった。他社はみな、「うちの研修にはこんな効果があります」とか「他社ではこんなことに取り組んでいます」と言うのに。何と正直な、と思いHYAKUNENさんに研修をお願いすることにした。

一人ひとり個性もあり、それはそれで素晴らしいことでもあるのだが、それぞれが重圧の中でその責務を担ううち、方向性や組織に対する想いに温度差が出てきてしまっていたのかもしれない。合宿研修で前山さんから言われたことは沢山あったが、役員同士が助け合う気持ちを持つこと、役員としての自身の在り様を深く考えること。それが社員の望んでいることでもあるということ、に尽きると思う。対話の中で、当社の分析や、HYAKUNENさんが携わってきた生の変革の事例などを交えつつ、繰り返し、繰り返し、何度も私たちに問いかけられる。どのような自分として役員という今の仕事に向き合っているのか、と。手近で安易な答えではなく、自らを省みる本質的な問いかけだったように思う。すると、対話の中で本音が少しずつ出てくるようになり、すれ違いに憤ったり、想いを言葉にし涙を流したり、互いの背景を理解したりと、様々な気持ちが噴き出てきた。ともに時間を過ごす中で、わだかまりがなくなり、融け合ってきた。

研修を終え、会社に帰っても、皆それぞれに変化があったと思う。受け身の人が能動的になったり、自分から意識してありがとうを伝えたり、助け合おうという気持ちが全面に出てきたと思う。組織が上手く回るためには役員の姿勢がすべての根本だと思うが、まさにそれを痛感している。
今回呼び覚まされた想いを、私を含め一人ひとりの役員が大切にし、一丸となって進んでいきたいと思う。
良い人たちと御縁ができたと思っています。

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