2019年5月23日(木)大阪にてHRカンファレンスに登壇いたしました。HRカンファレンスとは、「人・組織・経営」に関する日本最大のHRイベントで、毎年東京・大阪で開催されています。今回も昨年に引き続き、前山・上野・宍戸の3名が「パフォーマンス・マネジメント 意味のない人事施策の終焉~データによる人事変革~」と題して講演を行いました。幅広い業界の経営幹部から人事部門マネジャーやスタッフの方々を中心に、100名を超える方々にご応募頂きました。

HRカンファレンスには、様々な方が登壇されていますが、多くは人事部門に対するソリューションを提供する内容になっています。
「○○社では、△△という仕組みを導入している」
「■■をすれば、~が解決する」
といった内容が多く、参加される方々の多くも、自社の課題解決に繋がるソリューションや知見を求めている方が多いのではないでしょうか。

そんな中、私たちの講演は、昨年に引き続き、特定のソリューションの良し悪しについて議論するのではなく、経営や人事部門がもつべき考え方や思考様式、経営や人事として組織の成長を生み出していくアプローチそのものの在り方について講演を行いました。

特定の人事施策がそれほど効果を発揮しない理由とは何なのか?

たとえば、近年上司と部下が定期的に行う「1on1」面談制度です。多くのコンサルティング会社や研修会社がこれらを推奨していることもあり、人事領域で非常に流行し、多くの企業が導入しています。

しかしながら、「1on1」面談制度が効果を出すのはどのような会社なのか、どのような組織状態であれば効果が出るのか、等については、実際には広く議論されたり、研究されたりはしていないのが現状です。私たちの研究では、組織が既に一定程度の高い水準で顧客志向を持ち、エンゲージメントも同様に一定水準以上であれば、一般的に推奨されている「1on1」面談制度は、組織に対してプラスのインパクトを生む可能性が高まることが分かっています。
一方で、組織にまだ十分な顧客志向性が育まれていない場合や、エンゲージメントが高まっていない場合に、一般的な「1on1」面談制度を導入しても殆ど効果がでないことも分かっています。このような場合は、一般的な「1on1」面談制度ではなく、上司からのフィードバックを重視した面談・コミュニケーションの方がはるかに効果があるのです。

「ある施策がインパクトを持つには、必要な文脈がある」ということです。
今回のHRカンファレンスでは、施策の効果が会社や組織の置かれた状態などの文脈によって大きく変化することを、1.ホスピタリティが重視される病院組織、2.赤字からの変革過渡期にある大企業、等でのケーススタディを踏まえてお話しさせて頂きました。

参加者の方々からは、「自分の会社は軽率に人事施策を打っているに過ぎない」、「非常にショックを受けた。もっと詳しく話を聞きたい!」、「変わらないといけないのは、人事の考え方だと改めて思った」といったコメント・感想を頂きました。

経営に貢献し、人と組織を変化させるために何が必要なのか。
経営や人事部門の方々の変化への意欲と焦りを同時に感じる講演となりました。パフォーマンス・マネジメントやデータを活用した企業・組織の変革に関する関心の高まりを感じ、私たちとして、引き続き、研究と実践を重ねていきたいと考えています。