What is the real education

アズワン㈱ 井内卓嗣さん

アズワン株式会社 代表取締役社長 井内卓嗣さん
アズワン株式会社
代表取締役社長

井内卓嗣さん

私はとある経営者の会で、守秘義務の下、本音・本当の自分をさらけ出すというル-ルで語り合う機会に恵まれました。「会社のこと」「家族のこと」「自分自身のこと」といったテーマについてそれぞれが嬉しかったこと、悩んでいることなどを語りました。最初はこんなことを他人に話していいのかと恐る恐るでしたが、メンバ-が本音をさらけだすのを目のあたりにして、気づくと自分もこれまで人前で絶対に口にしなかったことであろうことを話していました。自分の喜びを他者が共有してくれ、悩みや悶々としていることも受け止めてくれる。これだけでもスッキリすることに驚きましたが、全力で寄り添い支え合うルールゆえに、自身の経験や人脈を駆使し、全力で向き合ってくれるメンバ-のフィードバックは鮮烈でした。そして支えてもらった自分は、今度は自分が全力でメンバ-を支えたいと思うようになりました。心を開きあい、関係性が良くなると、互いの共有するあらゆる質がどんどん向上してくる。また自分をさらけだすことは何ら怖いことではなく、自分を克服して心が強くなり、在りたい未来に向かおうとする自分になることがわかりました。そして、自分自身がどんどん前向きな意欲に溢れてくるのを感じました。
そんな最中、社内で人事制度改革に取り組みたいとの打診が人事部門からありました。私は「制度見直しには賛同するが、自分たちの会社がどう在りたいのかという思いが無いまま始めては、コンサルタントに言われるがままで、仏作って魂入れず、大金をつぎ込んだ割には、流行キーワードが入っただけの人事制度パッケ-ジを導入して終わりになりかねないよ」と。
しかし、人事部門がどうしてもコンサルタントに会って欲しいと食い下がってきました。仕方なく、私は慇懃にお断りするつもりで、コンサルタントと面会をしました。それが前山さんとの最初の出会いでした。私は前山さんに対し、人事コンサルティングの提案は上記の理由で時期尚早と思っているとお話しすると、彼は食い下がる様子もなく、「ええそうですね」とさらりと言いました。私が拍子抜けしていると、「私は、真面目な雑談が得意なんですよ」とコンサルタントらしからぬ雑談をはじめました。間もなく人の話を受け止めるのが上手な前山さんのペ-スに乗せられ、前段のように自分をさらけ出すことに躊躇が無くなっていたこともあり、私は自分のことを語り始めました。カリスマ経営者であった先代からバトンを受けるも、タイプが真逆にも関わらず、「自分のカラ-を出し急ぐな」と先代に言われ、どうしたらいいのか悶々としていたこと。上場し、有能な中堅社員がいるにも関わらず、ビジネスモデルが確立されすぎており、社員はただ目の前の仕事を作業的にこなしている状態で、将来に危機感を覚えていること。
社員には、せっかく人生の大半を過ごす会社での時間を有意義なものと感じて欲しい。会社は安定しており大きな不満は無くとも、充実感も無いのではないか。私は、社員それぞれが思い描く「いい会社」を実現したい。「いい会社」とは漠然とした言い方だが、自分の一番大切な人、息子・娘、彼・彼女、親友に対し「こんなええ会社ないで。絶対入りや!!」と心の底から言えるだろうか。残念ながらそうは思えないことが多々ある・・・。ならば、そう言えない理由である身の回りの小さなデコボコの放置をやめ、みんなでコツコツ埋めよう。5年10年振り返ってみた時、「ほんまええ会社になったわ」と思い合いたいと考えている。そのためには、まず自由闊達に言いたいことを言い合う雰囲気作りから始めなくては。などと前山さんに延々と想いをぶつけました。
彼は黙って聞いてくれた後、「ならそれやりましょうか」とあっさり言うので、私は驚きました。そして同時に、私が社外で経験したようなことが社内でできたら、ガラリといい変化が起こるのではという期待に胸が膨らみました。一方、毎日顔を合わせる様々な人間関係が行きかう社内で、弱みも含めた自分をさらけ出すなんて、きっと難しいだろう。もしかしたらパンドラの箱を開けるがごとく、収拾がつかなくなる恐さもありました。しかし今のままではいけないと覚悟を決め、前山さんに「自分の在りたい未来を探求する」研修をお願いしました。結果はどうであったか。1期1年の研修終える度、継続するかどうかをメンバ-に問うと、頭が割れんばかりに疲労困憊し、ボロボロになったメンバ-までもこぞって継続すべきと言ってくれました。結果、3期3年間、全社員の2割近くが、脳ミソを筋肉痛にしながら向き合ってくれました。研修を終えたメンバ-によって周囲にもいい伝播も始まり、社内にいい兆しが出てきたと感じています。
全身全霊を捧げ向き合っていただいた前山さんには、感謝に堪えませんし、これからも私にとって大切な人であり続けると感じています。これからも多くの方が「HYAKUNEN」と出会い、本当の学び、本当の自分の人生に出会っていただけることを心から願っています。

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